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虹が降って雨が出る。-未公開-
眠ったふりをしているなら
その男は起こせない。
出典 ナバホ族
気付かないふり、見ないふり、寝たふり・・・
フリだから寝起きの「その」不細工な顔は見られない・・・
間違いもないし、失敗もない。
起きたくない。のは、ただ、「人」のフリをしたいから。
なぜなら「楽」だから。
男は足を骨折して入院した。
リハビリが始まる。リハビリの先生に一目ぼれをする。
担当ではないので、先生を男は遠くからいつも眺めていた。「キレイだなぁ・・・」
先生は気になっていた。男の視線ではなく、男の周りにいる患者さんやスタッフへの対応が・・・
時は過ぎ、男は退院の日を迎える。
男は先生に告白をした。
先生は少し考えてこう言った「困った人を助けたり、身体の不自由な人に親切にて、10人から「ありがとう」と感謝されたら考えるわ」と。
それから男は「なんでこんなこと・・・」と思いながらも「勇気」を出して行動した。先生にモテるために・・・そしてみごと10人に感謝されミッションをクリアした。
たった1週間で・・・
すぐに病院へ行き、リハビリ室にいる先生に会いに行った。
そして男は一生懸命話した。一つ一つの物語を、嬉しそうに。
「思いやり」や「親切」その「感覚」を、まだ知らないだけで男には「素直さ」があった。
先生は、リハビリ室で「それ」を感じていたのだ。視線と共に・・・
先生は一生懸命に嬉しそうに話す男に
「あなたはもう大丈夫」と言った。そして「付き合えない」とも。
「実は来月から赤十字の医療支援でアフリカに・・・」
男はフラれた・・・「頑張ったのは無駄だったのか・・・」「何が大丈夫なんだ・・・」うなだれながら病院を後にする。
帰り道、男は無意識に探してしまう。困っている人や、身体の不自由な人を・・・
はっ!!「大丈夫じゃない人を探してしまう・・・」
「俺は大丈夫なのか・・・」
と、不細工な顔になり「楽」じゃない方の道を歩き出だした。
寝起きの顔はいつも不細工だ。が其れでいい。
いつでも探しているよ どっかに君の姿を
出典 「One more time, One more chance」より
山崎まさよし
おはようございます。2020年7月14日(火曜日)
それでは第九十七話「はじまり」です。
今日のお話は「終わり」です。
文章の所在が分からなくなったり、言葉では辿り着けないこともありますが・・・
今日も最後まで読んでくれて本当にありがとうございます!
今日という一日に「少し」の 勇気 を
そんな【寝起き】を
それではまた明日。