「もっともやっかいで、難しく、面倒な選択肢」-未公開-

味の世界には、自分を脅かすものがない代わりに、人生を揺るがすような出会いも発見もない。

心を震わせ、精神をエクスパンド(広げる、拡大する、拡張する)するような、失望も歓喜も興奮もない。真の達成感や充実感は、多大なコストとリスクを伴った作業の中にあり、常に失意や絶望と隣り合わせに存在している。つまり、それらはわたしたちの「仕事」の中にしかない。 

 

出典「無趣味のすすめ」より 村上龍

日の一冊 

「無趣味のすすめ」村上龍

家・村上龍さんが、雑誌「ゲーテ」での連載に書き下ろした作品を加えたエッセイ集。カンブリア宮殿で小池栄子の隣にいる「あのおじさん」です。

1952年長崎県生まれの小説家です。1976年「限りなく透明に近いブルー」で芥川賞を受賞。「限りなく透明に近いブルー」は僕と同じ年で、縁を感じて読んだのですが・・・

めちゃくちゃ面白かった です。

主人公の名前が「リュウ」で・・・

実話なのか!? 

本人は「そう思っても思わなくても構わない」と・・・やばいな・・・

短い小説なので読んでみてください。

日のもう一冊

「限りなく透明に近いブルー」村上 龍

を縁に残したガラスの破片は夜明けの空気に染まりながら透明に近い。限りなく透明に近いブルーだ。僕は立ち上がり、自分のアパートに向かって歩きながら、このガラスみたいになりたいと思った。

 

出典「限りなく透明に近いブルー」より 村上龍

はそれました・・・「無趣味のすすめ」は、趣味、仕事、人間関係、政治、経済・・・一編一編が短いので、読みやすいですが、考えさせられる文章は多かったと思います。気になったり、なんか引っかかるなぁって「言葉」があればぜひ読んでみてください。完全に理解できなくても良いと思います。良い方でも悪い方でも、ちょっとでも心がざわめければ・・・

して、マグマみたいなボルテージで火傷したい方は、岡本太郎の著作「自分の中に毒を持て」を読んでみて下さい。噴火した火山・・・マグマみたいな本です。※火傷に注意

は自分自身との対話だ。

 

出典 「自分の中に毒を持て」より 岡本太郎

た記事で書きたいので、一つだけ紹介します。

くがここで問題にしたいのは、人類全体が残るか滅びるかという漠とした遠い想定よりも、いま現時点で、人間一人ひとりはいったい本当に生きているだろうかということだ。・・・強烈に生きることは常に死を前提にしている。死という最もきびしい運命と直面して、はじめていのちが奮い立つのだ。死はただ生理的な終焉ではなく、日常生活の中に瞬間瞬間にたちあらわれるものだ。この世の中で自分を純粋に貫こうとしたら、生きがいに賭けようとすれば、必ず絶望的な危険をともなう。

 

出典 「自分の中に毒を持て」岡本太郎

に飛び込んできた言葉に「振り返ってしまったり」「胸騒ぎがしたり」・・・きっかけは様々だけど「その言葉」の向こう側を知りたくなる。そして僕は本を読む。ことが多いです。チンプンカンプンな時もあるし、理解できなことも多いですが・・・言葉、文章「その小さな行間」との出合いは楽しいです。

て・・・「無趣味のすすめ」

あとがきで「疲れた」「誰に向けて書いていいのかわからない・・・」と語った、村上龍の孤独な「渇いた飢え」が僕は好きです。

そういえば最近「飢え」と「渇き」を感じなくなった・・・情熱を感じなく「生ぬるい」・・・

問題・・・だな。

もっともやっかいで、難しく、面倒な選択肢が正解である

のかな・・・

ツや秘訣を覚えても無意味だ。何かを得ることができる失敗は飢えから始まる。果てしない思考の延長上にアイデアはある。もっともやっかいで、難しく、面倒な選択肢が正解である─。置き去りにされたような孤立感を抱えながらも、淘汰の時代を生き抜くために大切な真のスタートラインを提示する。

 

出典「無趣味のすすめ」より 村上龍


おはようございます。2020年7月22日(水曜日)
それでは第百五話の「はじまり」です。

今日のお話は「終わり」です。

文章の所在が分からなくなったり、言葉では辿り着けないこともありますが・・・

今日も最後まで読んでくれて本当にありがとうございます!

今日という一日に「少し」の 勇気 を
そんな【熱さ】

それじゃまた明日。

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