そして「希望」になにる。-未公開-

つ葉のクローバーは小葉を4枚持つ白詰草で、普段見られる三つ葉のそれの変異体に相当する。その発生は稀であり、(特に偶然にも)それを見付けられた者には幸運が訪れるという伝説がある。その伝説によれば、四つ葉のクローバーの小葉は、それぞれ、希望・誠実・愛情・幸運を象徴しているとされる。

 

出典 『ウィキペディア(Wikipedia)』

号が点滅しはじめた。電車に遅れないように走り出す。横断歩道の真ん中あたりでお婆さんを追い抜かす。

スピードを緩め、渡り切る0.5メートル手前で信号は点滅から赤に変わった。

我ながら完璧なペース配分だったと、不敵な笑みを浮かべようと瞼を閉じた・・・が!!

「お婆さん!!」振り返ると、巾着みたいなんを落として拾おうとしている。

急いで戻って、お婆さんに寄り添い信号を渡り切った。信号が赤に変わって30秒くらいだろうか・・・クラクションを鳴らさず、ずっと待っていてくれたトラックの運転手さんに「ありがとうございます」と囁きながら頭を下げた。お婆さんも一緒に頭を下げてた。

頭を上げると、ゆっくり走っていくトラックの側面に・・・大きな四つ葉のクローバー が・・・(四つ葉のクローバーのステッカーが貼られていた)

そしてお婆さんと僕は、ゆっくり通り過ぎていく「希望」目で追った。

つ葉のクローバーの小葉は、それぞれ、希望・誠実・愛情・幸運 を象徴しているとされる。とのことだから、もしかすると「誠実」「愛情」が織りなす「幸運」が4つ目の「希望」という葉をつくるのかもしれない。

つまり「誠実」に行動した僕と、「愛情」を持って見守ってくれたトラックの運転手さんが、お婆さんの「幸運」に繋がったから「希望」という四つ目の葉っぱが芽生えたんだということ。小さいけど・・・僕たちでつくった「四つ葉のクローバー」だ。

ということは。現場にいて当事者じゃなくても、「それ」を心で見れば、その人は「四つ葉のクローバー」を見つけたことになる。

知らない誰かの小さな「希望」になるってそーゆーことなのかもしれない。

断歩道を渡る人たち
僕はフロントガラス越しに見ている
日の僕が 明日の僕が
今 目の前を通り過ぎていく

 

出典「横断歩道を渡る人たち」より Mr.Children 

作詞:桜井和寿 作曲:桜井和寿

望には羽根が生えていて魂にとまる

出典 エミリー・エリザベス・ディキンソン

(Emily Elizabeth Dickinson)詩人
1830年12月10日 – 1886年5月15日

おはようございます。2020年7月9日(木曜日)
それでは第九十二話「はじまり」です。

切な人に話してください。いつか、あなたが誰かと「つくる」四つ葉のクローバーの話を。

今日のお話は「終わり」です。

言葉では辿り着けないこともありますが・・・

今日も最後まで読んでくれて本当にありがとうございます!

今日という一日に「少し」の 勇気 を

そんな羽根】
それではまた明日。

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